内容についての批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/20 01:41 UTC 版)
「国際天文学連合による惑星の定義」の記事における「内容についての批判」の解説
太陽系外の天体を惑星と考えるのに必要な最低限の質量及び大きさは、太陽系で使われるものと同じ値とするべきである。定義の最終案の言葉遣いについての批判は続いた。特に、NASAの冥王星探査計画ニュー・ホライズンズを指揮する科学者のアラン・スターンは、冥王星と同様に、地球、火星、木星、海王星も軌道上の天体を完全には一掃していないと主張した。地球の軌道には、1万個もの地球近傍天体が存在し、木星は軌道の合間に10万個ものトロヤ群小惑星を持つ。「もし海王星が軌道上の近隣の他の天体を一掃していれば、冥王星はそこには存在しないだろう」と彼は付け加えた。 多くの天文学者は、軌道から他の天体を一掃しているわけではなくても、主要な惑星は、その軌道内の他の天体の軌道を完全にコントロールしていると言って、その意見に反対した。木星は軌道内で多くの小天体と共存しているが、これらの天体は、惑星の巨大な重力に揺さぶられてその場所にあるだけである。同様に、冥王星は海王星の軌道を横切るが、海王星はずっと昔に冥王星をカイパーベルト内の3:2の共鳴軌道に固定したものである。これらの天体の軌道は、完全に海王星の重力によって決定され、従って海王星は重力的に軌道を占有していると言える。 この定義は、太陽系以外に適用することは難しい。太陽系外惑星を探索する技術では、スターンとレヴィソンによるΛパラメータを用いた間接的な方法以外では、天体が「軌道を一掃」しているかどうか決定することはできず、また天体がいつできたかについては限定的な情報しか得られない。新しい定義では、恒星や連星ではなく太陽という言葉を使っているため、他の恒星の周りに確認されている多くの天体に対しては適用することができない。しかし、2001年にIAUによって太陽系外惑星の定義が既に別に定められており、その中には「太陽系外の天体を惑星と考えるのに必要な最低限の質量及び大きさは、太陽系で使われるものと同じ値とするべきである。」という基準が含まれている。
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