内容にかかわるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 00:22 UTC 版)
「戦史部における戦史研究のあり方」では下記が指摘された。 学術的研究ではなく、概説史に近い。 旧軍関係者による執筆であり、身内による作成と言う性格を免れない。 執筆者の位階は参謀職にあった者が多く、「参謀史観」「参謀の視点でしか戦争を見ていない」という批判がある。 旧陸海軍の対立を戦史部まで引きずり、2軍を統一した戦史として刊行できなかった。特に「開戦経緯」にはその影響が大きい。 対抗戦史の研究が作戦に偏重しており、戦略レベルの分析が不足している。 名目上は上述のように、自衛隊の教育に資する旨が謳われているが、実際には上記の欠陥により機能不全となっている点がある。 ただし、原剛は戦後の研究蓄積が無いところで克服するだけの能力は無く、戦史叢書のようなものを作成する以外、当時の情勢では不可能だった旨の反論も行っている。また、戦前も含めて日本では軍以外の部門で戦史研究の蓄積がある組織はさほど無く、執筆元である防衛研究所が唯一のナショナルセンターにならざるを得ないという事情も指摘されている。 藤原彰は刊行が続いていた当時から上述の作戦本位の点などを指摘していたが、更に下記の点を指摘している。 作戦本位となった結果として後方・補給の記述が少ない 作戦を担った司令部内の記述に偏重している上、司令部内でも参謀部に脚光を当てている。 戦争が国民生活に与えた影響や意味について記述されていない。 形式的には旧軍と関係の無い機関が編纂したにもかかわらず、旧軍戦史に見られた「勝利をたたえ戦功をほこっている」書き方を踏襲している。 住民を巻き込んだ戦闘について言及が殆ど無い
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