内容と解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/17 22:27 UTC 版)
描かれているのは、ある海辺の村の日常生活と、その中でのちょっとした騒ぎの様子である。左側の家の壁に、逆さまになった地球儀が描かれているがこれは、人間は皆愚かであり、世間の出来事や行いに翻弄されるという、神無き誤った世界の象徴である。下部中央には、赤い服を着た女性が夫に青い外套を着せている様子が色鮮やかに描かれているのが見えるが、これは女性が夫に対して不貞を働いていることを意味している。中央部の天蓋の下には悪魔が座っているが、彼はこの絵の世界における摂政(神無き世界で神の代わりに世界を治めている)であることは疑いない。 ブリューゲルの絵画は、世界は罪深く、邪悪で、愚かしいものであるという当時の彼の世界観を反映している。欺瞞や自己欺瞞、悪意、弱さに満ちた世界である。このような主題は当時の文学においても見られ、ゼバスティアン・ブラント(英語版)の『阿呆船』やデジデリウス・エラスムスの『痴愚神礼讃』等においても、同じ主題が繰り返し記述されている。
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