共有結合構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 02:56 UTC 版)
共有結合性物質の構造には、個別の分子、分子の構造、高分子構造、巨大な共有結合構造などいくつかの種類が存在する。個別の分子では原子間に強い結合力がはたらいているが、分子間の引力は無視できる程度である。この種の共有結合性物質は大抵気体(例えばHCl、SO2、CO2、CH4)である。分子の構造では弱い分子間引力が存在する。この種の共有結合性物質は(エタノールといった)低沸点液体や(ヨウ素、固体二酸化炭素といった)低融点固体である。高分子構造の中では多数の原子が共有結合で連結して鎖状構造を取っている。高分子構造の例は、ポリエチレンやナイロンといった合成高分子、タンパク質やでんぷんといった生体高分子である。ネットワーク共有結合構造(巨大な共有結合構造)は(グラファイトといった)シート状、あるいは(ダイヤモンドや水晶といった)3次元構造状に連結した多くの原子を含む。これらの物質は高い融点と沸点を有し、砕けやすく、高い電気抵抗率を持つ傾向がある。高い電気陰性度と3あるいは4つの電子対結合を形成する能力のある元素は、しばしば大きな高分子構造を形成する。
※この「共有結合構造」の解説は、「共有結合」の解説の一部です。
「共有結合構造」を含む「共有結合」の記事については、「共有結合」の概要を参照ください。
- 共有結合構造のページへのリンク