六道詣り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 04:21 UTC 版)
六道まいり(六道さん)盂蘭盆に先立って8月の7日から10日に行なわれる祖先崇拝の宗教行事のことです。普段静かな六道珍皇寺は、六道詣りの日に限って境内から門前に至るまで、高野槇・愛宕の樒・伊勢朝熊の黄楊(柘植)・蓮・麻幹(苧殻)・溝萩・早稲・駒繋などを売る花屋の露店が立ち並びます。また、前の松原通にある仏具神具店の店先には、蝋燭・蝋燭立・盆灯籠・花立・香・香炉・珠数・経本・鈴・木魚・過去帳・麻幹箸・新仏用の小さい苧殻梯子・霊膳と呼ばれる小型の白木の膳他の小物仏具など等が蔵浚で並びます。 参拝者は、本堂や経書堂で経木に亡き人の戒名か俗名を僧侶等に書いてもらって、本堂前にある白煙の濛々と立ちこめた香炉に向かい、線香を上げたあと、その煙を経木にまぶし、手で煙を呼びこんで身体にも振りかけます。そして経木は、境内西側の石地蔵の前に供えた水槽に浸し、または柄杓か高野槇で水をかけて水回向をするのです。 それから、十万億土の地の果てまで響き渡ると伝えられる「迎え鐘」を撞きながら故人の名を胸中に念じ、お精霊さんを冥界から呼び寄せます。そして、門前や境内で売られる高野槇を家に持ち帰ると、冥界で鐘の音を聞きつけたお精霊さんは、この高野槇の穂先を伝って帰ってくるといわれています。
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