公案を用いた禅道修行と看話禅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 02:17 UTC 版)
「公案」の記事における「公案を用いた禅道修行と看話禅」の解説
禅道修行を志した雲水は、一般に参禅のしきたりを踏んだうえで一人の師につき、各地にある専門道場と呼ばれる養成寺院に入門し、与えられた公案に取り組むことになる。公案は、師家(老師)から雲水が悟りの境地へと進んで行くために手助けとして課す問題であり、悟りの境地に達していない人には容易に理解し難い難問だが、屁理屈や詭弁が述べられているわけではなく、頓知や謎かけとも異なる。 数年間の修行中は僧堂で坐禅をしたり、寺の業務に従事しながら毎日、多い時には日に数度も、老師のもとに呼び出され、回答を求められる。思考の限りを尽くしてもそのたび老師に追い返され、なおも回答の提出を求められて懊悩する日々の生活は、きわめて厳しい。 公案をひとつひとつ解いて悟りへと至る禅を看話禅と呼び、臨済宗、黄檗宗、韓国の曹渓宗が看話禅に属する。これに対し、公案を用いずにひたすら坐禅をして(只管打坐)悟りを開いていく禅を黙照禅といい、黙照禅は曹洞宗の特徴となっている。 近世には一定の数の公案を解かないと住職になれない等、法臘(年数)の他に僧侶としての修業度を表す基準ともなった。
※この「公案を用いた禅道修行と看話禅」の解説は、「公案」の解説の一部です。
「公案を用いた禅道修行と看話禅」を含む「公案」の記事については、「公案」の概要を参照ください。
- 公案を用いた禅道修行と看話禅のページへのリンク