八幡塚古墳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 23:08 UTC 版)
墳丘長102メートル、後円部径56メートル、高さ現存約6メートル、前方部幅53メートル。高さは削平されて分からない。周濠は馬蹄形で二重に取り巻き、さらに外側を幅の狭い外周溝が巡る。内濠部のくびれ部と後円部後側に4基の中島が配置されている。墳丘には葺き石が葺かれ、円筒列が墳丘裾部、中島裾部、中堤縁に見られる。前方部前面の中堤上に円筒埴輪列で方形に区画された部分から人物類や、ウマ・ニワトリなどの家畜、イノシシ・水鳥など狩猟鳥獣をモチーフとした形象埴輪が出土している。これらの動物埴輪は、埴輪祭祀の一つの表現様式として注目されている。 また、保渡田八幡塚古墳からは鵜形埴輪が出土しており、首を高く上げ口に魚をくわえ、首に鈴のついた首紐が付けられた鵜(う)の姿が表現されている。鵜を用いて川漁を行う鵜飼は文献史料では古代中国の歴史書『隋書』や『古事記』『日本書紀』において見られるが、保渡田八幡塚古墳出土の鵜形埴輪は古墳時代から儀礼・行事としての鵜飼が行われていた可能性を示す資料として注目されている。
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