兄嫁
★1a.兄嫁に誘惑される。
『水滸伝』(120回本)第24回 蒸し団子売りの武大は醜い小男で性格もおとなしかったため、妻の潘金蓮は武大を馬鹿にしていた。武大の弟・武松は、兄とは対照的に背丈8尺の偉丈夫だったので、潘金蓮は武松に言い寄る。しかし武松はこれをはねつけて去る〔*潘金蓮はその後、薬屋の西門慶を情夫とする〕。→〔夫殺し〕1。
『二人兄弟の物語』(古代エジプト) アヌプとバタは、同じ母・同じ父から生まれた兄弟だった。兄アヌプには妻があり、弟バタは独身だった。ある日、バタは兄嫁から誘惑されるが、これを退けた。兄嫁は自分の行ないを夫に告げ口されることを恐れ、逆に「バタが私を誘惑した。私が拒否したのでバタは暴力をふるった」と夫アヌプに訴えた。アヌプはこれを信じてバタを追い、バタは逃げた。
*夫の弟のみならず、夫の部下を誘惑する物語(*→〔継子への恋〕3)・夫の子供を誘惑する物語(*→〔継子への恋〕1)もある。
『行人』(夏目漱石)「兄」34~38 「自分(長野二郎)」は、兄一郎の妻直(なお)とともに和歌山まで出かける(*→〔妻〕6a)。昼間のうちに帰るつもりが、思いがけず暴風雨が来襲したので、「自分」と直は旅館に泊まらざるをえなくなる。停電し真っ暗になった部屋で、直は帯を解き浴衣姿になり、化粧をする。そして「いつでも死ぬ覚悟がある」と「自分」に告げ、誘惑するかのごとき態度をとる→〔性交せず〕3。
★2.兄嫁との結婚。
『ハムレット』(シェイクスピア)第1幕 クローディアスは兄のデンマーク王を毒殺し、兄に代わって国王となる。彼は、兄王の妃であったガートルードと結婚する。デンマーク王の息子ハムレットは、母ガートルードが夫を殺した男に嫁したことを、激しく非難する。
*兄嫁との結婚を命ぜられるが、子供は作らない→〔精液〕5の『創世記』第38章(オナンの物語)。
★3.兄嫁を恋する。
『乱れる』(成瀬巳喜男) 礼子は戦時中に静岡に嫁いできたが、すぐに夫は召集され、戦死してしまった。以来18年間、礼子は夫の弟妹や姑の世話をしつつ、家業の酒屋を営んできた。亡夫の弟・25歳の幸司は、11歳年上の兄嫁・礼子を思慕し、ある日、愛を告白する。礼子はいたたまれず、家を出て故郷の山形へ帰る。幸司は後を追い、2人は銀山温泉の宿に入る。しかし礼子は幸司の愛を受け入れることができない。幸司は1人で酒を飲みに出かけ、崖から転落死する。
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