倉庫の配送センター化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 19:25 UTC 版)
「フルフィルメントハウス」および「自動倉庫」も参照 もっとも現在、各企業は在庫の削減や、ジャストインタイム生産システム(JIT)によるリードタイムの軽減など、貨物の滞留時間をいかに減らし物流コストを下げるかで頭を悩ませている。サプライチェーン・マネジメントなどロジスティクスの高度化により、倉庫は入ってきたものを何ヶ月も保管する場ではなく、海外や国内から原料が集められて工場に送られ、生産された商品が小売店に配送され販売されるまでの、「物流チェーンの一部」となりつつあり、貨物の滞留時間も早い場合、数時間や数日以下にまで短くなってきている。 ここでは倉庫は、各工場の要求に応じて搬入される原料を一時的に保管し、即時に各工場へ配送する拠点であり、また工場から配送されてくる商品を、小売店からの要求に応えて仕分けて、全国へ配送する拠点である。また商品の梱包・包装・値札つけなど、商品を店に出す形へ仕上げるための流通加工を行う場でもある。倉庫にあるコンピュータなど情報機器は、生産から販売までをつなぐ情報システムの一部として運用され(その情報システムは顧客企業が構築することもあれば、倉庫会社が代行して構築することもある)、内部の貨物(商品や原料)の位置はすべてシステムで把握されており、各貨物の配送が小売店や顧客本社などから指示されれば貨物はすぐにトラックの待つプラットホームへ送られる。位置把握や荷役に便利なように、情報システムと連動した建物大の自動ラックを備える倉庫もある。ラックに納められた商品は、情報システムの指示で自動的にコンベアに送られ、梱包作業場やトラックヤードへと直行する。 倉庫業にとっては主たる収益源だった保管料が激減し苦しくなるが、逆に顧客の物流業務のアウトソーシングにともない、これまで顧客が自営していた物流業務を受注し全面的に代行して、それを新規の大きな収益源とすることもできる。
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