信川虐殺事件とは? わかりやすく解説

信川虐殺事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/31 07:11 UTC 版)

信川虐殺事件
신천군 사건(信川郡 事件)
信川博物館に建てられた母子400人の墓標
2009年9月18日撮影
日付 1950年
死亡者 3万5383人
テンプレートを表示

信川虐殺事件(シンチョンぎゃくさつじけん、朝鮮語: 신천군 사건:信川郡 事件)は、朝鮮戦争さなかの1950年朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)黄海南道信川郡において、国連軍 (朝鮮半島)占領下で住民の4分の1にあたる3万5383人が虐殺されたとされる事件である。加害者が誰なのかについて、異なる見解がある。

概説

朝鮮中央通信によると、1952年3月、国際民主法律家協会調査団が現地に入り、「朝鮮での事件は戦争ではなく、犯罪であった」と糾弾した[1]。また、1958年3月26日、この地に信川博物館が開設され、開戦を挑発したアメリカ合衆国(米国)は1950年10月17日から12月7日まで52日間にわたって当地を占領、住民3万5383人を虐殺したとして、6465点の遺物・証拠資料と450余件の写真資料が展示されている[2][3]

2005年8月16日には、信川郡猿岩里において、この事件は国連の看板のもとでなされた米国の戦争犯罪であるとの国際弾劾大会が開かれた[4]

他方、大韓民国(韓国)の小説家黄晳暎は現地を取材し、また、この地で生まれ育ったニューヨーク在住の韓国人牧師から当時の目撃談を聞いて、2001年に小説『客人(ソンニム)』を著した。同書は、虐殺は北朝鮮政府が公式に伝えるような米軍によるものではなく、プロテスタントの民族主義者たちによるものであり、朝鮮戦争は南北の軍や米軍・中国軍の戦争であっただけでなく、同じ村人たちの殺し合いでもあった、としている。黄は、北朝鮮政府の見解を支持する人々からも、韓国のキリスト教関係者からも指弾された[5]

画家パブロ・ピカソは、1951年、この事件をもとに「朝鮮の虐殺」(ピカソ美術館 (パリ)蔵)を描いた。

脚注

  1. ^ 2005.7.24 米軍虐殺蛮行真相究明全民族特別調査委員会北側本部備忘録(全文)”. 朝鮮中央通信. 2013年6月16日閲覧。
  2. ^ 1998年時点。--米国は朝鮮戦争挑発者/朝鮮中央通信④”. 朝鮮新報. 2013年6月16日閲覧。
  3. ^ Pyongyang, March 27 (KCNA) -- The 50th anniversary of the Sinchon Museum was observed.”. 朝鮮中央通信. 2013年6月16日閲覧。
  4. ^ 信川で国際弾劾大会 朝鮮戦争時の米軍犯罪糾弾”. 朝鮮新報 (2005年8月26日). 2013年6月16日閲覧。
  5. ^ 黄晳暎『客人(ソンニム)』紹介サイト”. 岩波書店. 2013年6月16日閲覧。

信川虐殺事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 16:15 UTC 版)

信川郡」の記事における「信川虐殺事件」の解説

詳細は「信川虐殺事件」を参照 戦争当時からの北朝鮮主張によれば米軍によって約35000人の住民虐殺されたという。現在、当地には信川博物館設置されており、米国へ敵愾心愛国心喚起する展示が行われている。

※この「信川虐殺事件」の解説は、「信川郡」の解説の一部です。
「信川虐殺事件」を含む「信川郡」の記事については、「信川郡」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「信川虐殺事件」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「信川虐殺事件」の関連用語

信川虐殺事件のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



信川虐殺事件のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの信川虐殺事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの信川郡 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS