使用されている瓦について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 03:51 UTC 版)
「閑谷学校」の記事における「使用されている瓦について」の解説
使用されている瓦は、釉薬を使用しない窯変瓦である。焼き具合によって1枚1枚色合いが違うのが特徴である。また一般の瓦が寿命60年といわれるのに対して、閑谷学校の瓦は300年経過しても殆ど割れないまま使用できている。高い耐久性は高温で焼結されている為であるが、制作過程で変形が起きやすく、屋根に拭いたときに隙間ができて雨漏りしやすいという欠点がある。そのため様々な漏水対策が施されている。閑谷神社には揚羽の蝶の紋が入った軒丸瓦が使用されている。これは閑谷神社が池田光政を祀っているためで池田家の家紋を模ったものである。一方の聖廟には無地の軒丸瓦が使用されている。閑谷の産土神、福神社(備前市閑谷)の近くの山麓には瓦を焼くための登り窯が設置され、閑谷窯と呼ばれた。窯は2基造られ、5万枚の瓦の他、学校で使用する食器や祭器も製造された。職人は京都から陶工を招いたとされる。それらの陶器は後に閑谷焼を呼ばれるようになる。今日では、閑谷窯の遺構は地上部分の大半が破壊され、残りの部分は土砂に埋没しているが、部分的に残っている側面の壁より当時の様子をうかがい知ることが出来る。閑谷窯の大きさは、幅2.3m、長さ13.8m程とされる。したがって、閑谷学校の瓦は閑谷学校近隣の閑谷窯で焼かれたものを指し、伊部地区で焼かれているいわゆる備前焼ではないことがわかる。
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