伝統的東京方言における使用法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 03:00 UTC 版)
「鼻濁音」の記事における「伝統的東京方言における使用法則」の解説
伝統的な東京方言では鼻濁音は、ガ行子音音素/ɡ/で、語頭等の非鼻濁音[ɡ]と対立して、語頭等以外の場合に[ŋ]として現れる条件異音であるとされている。ガ行子音/ɡ/は、自立語の語頭および外来語の全ての場合に非鼻濁音が用いられ、それ以外の場合(語中)は鼻濁音が用いられるのが原則である。 しかし、実際には、複合語の2つ目以下の造語成分の冒頭にガ行子音が来る場合に、「語頭扱い」なのか「語中扱い」なのかを巡り、かなり複雑な使用法則がある。この場合、融合度が高い場合には鼻濁音が用いられるが、融合度が必ずしも高くない場合、また連濁と言えない複合語の場合には、「語頭扱い」となって非鼻濁音が用いられる。 一例としては、「十五日(じゅうごにち)」の「五(ご)」は非鼻濁音である。しかし「十五夜(じゅうごや)」の「五(ご)」は鼻濁音で発音される。「十五夜」は特定の事象を示す単一の名詞で造語成分の融合度が高いと解されているからである。また、「日本銀行(にっぽんぎんこう)」の「ぎ」も非鼻濁音である。「日本銀行」は特定の1つの銀行の名称であるにもかかわらず、「日本」と「銀行」との間の融合度は高くないと考えられているからである。 このように、東京方言での鼻濁音の使用法則は、非母語話者が法則を当てはめて演繹適用することが困難な複雑な様相を呈し、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}また東京での鼻濁音の使用は、近年著しく衰退している[要出典]。
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