人類学者による報告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:16 UTC 版)
イギリスの考古学者、人類学者のキャサリン・ルートリッジは、1914年から1915年にかけて夫ともにイースター島の科学的調査を行い、美術、習慣、文字についての情報収集を行った。彼女はカピエラ(Kapiera)とトメニカ(Tomenika)という名の、2人の年長のインフォーマントと面談することができた。2人はロンゴロンゴの知識もあると言われていた。しかし彼らとの面談は、しばしば2人がお互いに矛盾するような情報を提供したため、実りあるものにはならなかった。彼らとの面談からルートリッジは、ロンゴロンゴは言語を直接書き表したものではなく、記憶を助けるために考案された特殊な記号、いわば、原文字ともいえるもので、絵文字の意味も書く人により異なるため、ある文字板を読もうとするならば、そのテキスト独自の読み方の訓練が必要になる、と結論付けた。また彼女は、テキスト自体は島の歴史や神話を物語る詠唱を司祭達が記録したもので、特殊な建物に秘匿されていた非常に「神聖なもの」(tapu)と考えていた。メトローなどの後代の民族学者の頃には、ルートリッジが残した記録は忘れられ、現地の口伝による伝承も、広く認められている刊行された報告書に強い影響を受けるようになった。
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