人種に纏わる疑似科学の出現と工業化
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「ポライモス」の記事における「人種に纏わる疑似科学の出現と工業化」の解説
19世紀末、人種に纏わる疑似科学の出現と上からの近代化が、ドイツにおける反ロマ政策の口火を切る。この時期「人種という概念が、社会現象を説明するのに体系的に用いられた」のである。 科学的な人種分析及び社会進化論は、社会的差異と人種的差異とを結び付けた。このアプローチは、様々な人種が単一の種から生み出されたのはなく、様々な生物学的起源に拠るという考えを是とする所に特徴がある。 人種に纏わる疑似科学の出現が、科学の装いを凝らした人種的ヒエラルキーを打ち立てると、生物学に基づき少数民族集団を周縁化させてゆく。 人種科学に加え、19世紀末のドイツは上からの近代化の時代でもあった。産業の発展は社会の諸側面、就中労働や生活の社会的基準を変えたのである。だがロマにとって、この事は伝統的な生存様式の否定を意味した。 ヤノス・バーソニーは「産業の発展により職人としての価値が切り下げられ、結果として共同体の崩壊や社会的疎外を齎した」としている。 また犯罪学の観点からも、ロマに対する人種主義的な言説が横溢。イタリアの犯罪学者チェーザレ・ロンブローゾは1876年に『犯罪人論』を上梓しているが、その中で劣等人種は容易に堕落するのであり、明確にその実例は「ジプシー」に見られるとした。
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