人権との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 09:05 UTC 版)
「速度違反自動取締装置」の記事における「人権との関係」の解説
たとえ速度違反者といえども、警察による容貌の無断撮影はプライバシー権(肖像権)の侵害である可能性がある。 助手席に同乗している者の写真も撮影されるため、違反行為とは全く無関係な第三者のプライバシー権も侵害される可能性がある。 取締装置が反応した現場に警察官はいない。違反者は後日呼び出しはがきの送達を受け、警察署に出頭したときに初めて弁明の機会が与えられることになるため、その場に警察官がいる取締方法に比べ、被疑者の防禦権が著しく制限される。 なお、「(違反者、同乗者の)プライバシー権の侵害である」という問題については、1969年(昭和44年)12月24日の最高裁判所大法廷判決を踏まえ、「犯罪が現に行われ」「証拠を確保する必要性および緊急性があり」「方法が合理的である」という「三条件を満たすような場合」に、本人の同意なく警察官による容貌の撮影が許容されると判決が出ており、取締装置による撮影も同様に許容される。 そのため、速度違反自動取締装置による取り締まりは、最高速度超過という「犯罪が現に行われており」、直ちに撮影しなければ現場を走り去ってしまうため、「証拠保全の必要性および緊急性があり」、「合理的な方法」による撮影であるから、これら「三条件」を満たしており、1986年(昭和61年)2月14日最高裁判所第二小法廷判決以後、一貫して取締装置による写真撮影は、日本国憲法に合憲で、プライバシー権の侵害を認定した判例はない。 また防禦権についても、十数日後に任意出頭を求め弁解を聴く機会を与えており、検挙速度も暴走運転のような過度の速度違反を対象としているため、そのような記憶を短期間に喪失することは、経験則上考えられないことを理由に、防禦権の侵害はないと判決で示されている。
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