事例:細菌プラスミドのサブクローニング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 23:38 UTC 版)
「サブクローニング」の記事における「事例:細菌プラスミドのサブクローニング」の解説
この例では、哺乳類遺伝子ライブラリーからの遺伝子を細菌プラスミド(目的プラットフォーム)にサブクローニングする。細菌プラスミドは環状DNAの断片で、プラスミドの正しい場所に配置された場合、細菌が遺伝子産物の生成(遺伝子発現)を可能にする調節エレメントを含んでいる。その「生産部位」は、互換性のない粘着末端を持った2つの制限酵素切断部位「A」と「B」によって挟まれている。 哺乳類DNAはこうした制限部位を持たないので、オーバーラップ伸長PCR法(英語版)によって制限部位が組み込まれる。そのプライマーは制限部位を慎重に配置するように設計されており、タンパク質コーディングがインフレームになるように、またタンパク質の両側に最小限の余分なアミノ酸が埋め込まれる。 この新しい制限部位を持った哺乳類遺伝子を含むPCR産物と、目的プラスミドの両方を制限消化にかけ、消化産物をゲル電気泳動(英語版)で精製する。 互いに互換性のある粘着末端を持つ消化産物を(ただし、それ自身とは互換性のない粘着末端を含む)ライゲーションにかけ、元のプラスミドの背景要素とは異なるインサートを含む新しいプラスミドを作成する。 このプラスミドを細菌に形質転換し、インサートの同一性をDNAシークエンシングにより確認する。
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