事件前の情勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 23:35 UTC 版)
「ベスラン学校占拠事件」の記事における「事件前の情勢」の解説
ロシア領北カフカスのチェチェン共和国では1990年代初頭のソビエト連邦崩壊以来、独立を目指す独立派チェチェン人と、独立を阻止しようとするロシア当局側の間で対立と抗争が続いてきた。 1999年の第二次チェチェン紛争の勃発以後は強力な指導力を発揮するロシアのウラジーミル・プーチン政権の攻勢によってチェチェン独立派はチェチェンの政権を追われ、親ロシア・反独立派のチェチェン人による政権が樹立されていた。しかし、ゲリラ化した独立派はこれを傀儡政権とみなして抵抗を先鋭化させてテロリズムを辞さない方針に転じ、2002年10月には人質100人以上が死亡する惨事となったモスクワ劇場占拠事件を起こした。過激化したチェチェンの独立派には、アルカーイダなどの国外のイスラム過激派組織との繋がりが指摘されている。 2004年5月9日には、チェチェン共和国の親露派政権の大統領であるアフマド・カディロフがシャミル・バサエフ配下のテロリストに爆殺される事件が起こる。これに対し後任の大統領を決定する選挙が8月29日に行われることになり、プーチン大統領の支持を受けた候補が当選したが、この選挙に前後して8月21日には独立派が警察署などを襲撃して双方に60人以上が死亡、8月24日には旅客機2機が相次いで墜落して89人が死亡、8月31日にはモスクワで10人が死亡する自爆攻撃があるなど、国外のイスラム過激派の関与を思わせるものも含めて戦闘やテロが活発化していた。
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