乳児死体置き去り事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 00:50 UTC 版)
「赤ちゃんポスト」の記事における「乳児死体置き去り事件」の解説
2014年10月3日の夜、「こうのとりのゆりかご」に母親が死産した新生児の遺体を置き去りにするという乳児死体遺棄事件が発生した。慈恵病院ではただちに児童相談所に連絡、同所から警察に通報された。病院職員がたまたまゴミ出しに出ていて目撃したことから母親が判明し、母親は死体遺棄罪容疑で熊本南警察署と熊本県警機動捜査隊に逮捕された。2007年の「ゆりかご」設置後、子供の死体が入れられたのはこれが初めてであった。 警察の調べによれば、母親は同年9月30日早朝に自宅浴室で出産したが子供は既に死亡しており、死因は司法解剖の結果、分娩時に胎児が産道を通過した際の頭部圧迫による頭蓋内出血とされた。調べに対し母親は「産んで育てるつもりだった」「同居する家族には妊娠を隠しており知らなかった」「亡くなった赤ちゃんがかわいそうで、供養してくれると思い『ゆりかご』に置いた」と供述した。慈恵病院の蓮田太二院長は逮捕後の記者会見で「当院では育てられない赤ちゃんを預かるため設置しており、亡くなってから預けたのは理解できず非常に残念。どうして生きているうちに預けなかったのか、悔しい思いというか、非常に残念な思いでいっぱい」と語った。 母親は逮捕後に起訴され、翌2015年1月20日に熊本地裁で執行猶予付き有罪判決(懲役1年、執行猶予3年)を受けた。母親は両親と小学生の男児との4人暮らし(シングルマザー)で、両親は妊娠と出産を知らなかったという。慈恵病院公式サイトでもこの事件について詳述し、「当初は赤ちゃんがかわいそうでお母さんの行為が理解できなかったが、捜査内容が明らかになりお母さんが悩み苦しんだ状況が(初めて)わかった」「妊娠中に当院に電話相談をしてほしかった。分娩中の危険を回避し無事に出産できたかもしれず、分娩後も協力できることはあったと思う」と、事前に匿名相談してほしい、子供が生きているうちに「ゆりかご」に託してほしいと強く訴えている。
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