九州特殊鋼
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1938年、九州電気軌道は日本発送電への設備出資によって資金に余裕が生じることから、新たな投資先を検討し、当時の国策に順応しなおかつ将来有望と見込まれた特殊鋼製造事業への進出を決定した。背景には小倉兵器廠の勧誘と援助の内約があった。1939年2月20日、九州電気軌道は資本金200万円で九州特殊鋼株式会社を設立。九州土地興業が造成する埋立地に工場を建設し、8月より高速度鋼とタングステン鋼の製造を開始、10月より製品出荷を始めた。主として軍部からの注文品を生産し、年率6パーセント、2期目以降は年率7パーセントの配当を実施するというように事業は順調であったが、まもなく資材不足となり、商工省主導の統制に従って九州特殊鋼は1941年9月20日付で富山市の不二越鋼材工業(現・不二越)に合併された。九州電気軌道には不二越の株式3万株余りが交付されたが、西鉄成立時に吸収会社各社の株主にプレミアムを分配するために不二越の株式は売却された。
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