主題の実行者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 13:45 UTC 版)
物語の主題(テーマ)を実行する者が主人公と定義される。例えば冒険活劇において敵対者との対決を迫られた主人公は、しばしば命を賭して己の道徳観や、主人公と価値観を共有する社会基盤を守ろうとする。物語の主題は主人公の行動によって体現され、理想や正義といった目標を実現するための行動こそが物語の主題となる。物語の作者は、主人公をどのように表現し、どのような運命を与えるかによって、主人公が体現する主題に対してどのような考えを抱いているのかを表現することができる。 ただし、作品が掲げる主題は台詞による説明ではなく主人公の無言の行動によって示されるが、その解釈は作者の中ではなく作品と受け手の間に成立するため、物語の描き方や受け手の価値観によっては、主題が作者の意図と異なる形で伝わってしまう場合もある。また主人公と対立する敵対者たちは、しばしば主人公とは相容れない道徳観や倫理に基づいて行動し主人公が体現する主題を否定する役割を担うが、このような敵対者が体現する主題に共感する受け手にとっては、敵対者が主人公となることもある。 このような主題は必ずしも明確な主張を伴っているとは限らない。例えば少女漫画では、しばしば作者が発するメッセージ性よりも、登場人物同士の関係性を描くことに重きが置かれる。
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