主要な欠点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/29 05:18 UTC 版)
かつてターンフローは、クロスフローデザインに比して構造が単純であり、トランスファーマシンによる加工作業をエンジンブロックの片側からのみ施せばよい(クロスフローでは両面加工を要する)という生産性のメリットもあって、長らく市場の主流であった。 しかし今日では、ターンフローデザインはクロスフローデザインに比べると、下記の2つの理由から工学的に決定的に劣る機構と見なされている。 一つは、クロスフローと比べると同じ大きさの半球型燃焼室を設計する際に、ターンフローは吸気ポートと排気ポートの大きさに制約が出やすい。これはクロスフローに比べて、高い回転数での吸気効率が決定的に劣るという結論に直結する。 二つめには、インテークマニホールドとエキゾーストマニホールドが隣接するため、インテークマニホールドとキャブレターが排気熱で熱せられてしまい、プレイグニッションやキャブレターのパーコレーション、バックファイアが発生しやすい。この欠点により、ターンフロー式ヘッドは圧縮比を高くしにくい。 市販エンジンにおいては例外的に日産・L型エンジンがターンフロー式ヘッドのまま過給機等を取り付けた高性能エンジンをラインナップしていたが、モータースポーツの現場においてはターンフロー式ヘッドが性能向上の大きな制約となり、オプションとしてクロスフローのLYヘッドやDOHCのLZヘッドが製作されるに至った。日産製のエンジンではA型エンジンもターンフローのOHVエンジンでありながら、チューン次第で10,000rpm以上回転するエンジンであったが、これは特殊な例外と言ってよい存在である。
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