主な実験施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 14:57 UTC 版)
「高エネルギー加速器研究機構」の記事における「主な実験施設」の解説
KEKB:周長3.016kmの衝突型円形加速器。8.0GeV(80億電子ボルト)の電子と3.5GeV(35億電子ボルト)の陽電子を衝突させることで、大量のB中間子・反B中間子対を作り出す。これを用いて、BELLE実験が行われている。BELLE実験とは13カ国、53研究機関、400人程度から構成される国際共同素粒子実験。KEKB加速器により加速された電子・陽電子の衝突によって生成される、年間1億個程度のB中間子・反B中間子対事象の崩壊過程をBELLE測定器で検出して調べることで、CP非保存(粒子・反粒子の性質の違い)の研究を行う。現在の宇宙から反物質が消えた謎を解く鍵として、このCP非保存が重要な関わりを持つことが指摘され、B中間子系で大きなCP非保存が期待されていることから、BELLE実験は世界的に注目されている。 フォトンファクトリー(PFリング):周長187mの円形加速器で放射光実験に用いられる。 PF-AR:加速する電子を単一のかたまり(単バンチ)にすることで高強度のパルス放射光を発生するリング。 ニュートリノビームライン:約250km離れたスーパーカミオカンデに向けてニュートリノビームを射ち込み、長基線ニュートリノ振動実験(K2K)を1999年から2004年まで行っていた。茨城県東海村に建設されたJ-PARCでは、さらにニュートリノビームの強度を高めた実験「T2K」が2009年から行われている。KEK本部敷地内には、この他にも直線型の線形加速器などが設置されており、高エネルギー物理実験を行う総合研究所として機能している。 円形陽子加速器、リングサイクロトロン(どちらも老朽化のため、共同利用を停止している)等もある。
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