中国における発展段階論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 09:01 UTC 版)
中国史において唯物史観的発展段階論を適用した場合の封建制について述べる。 郭沫若はその著書『中国古代社会史研究』の中に於いて中国史に発展段階論を適用し、西周を奴隷制の時代とし、春秋時代以降を封建制とした。これに対して呂振羽 (zh) は殷を奴隷制、周代を封建制の社会だとして反論し、この論争は結論を見ないままに終わることになる。 これらの論の基準となる所は封建制の特徴とされる農奴の存在である。現在は春秋時代までの農耕民と牧畜民という文化の異なる都市国家・小国家間の戦争による捕虜などを供給源とした時代の奴婢を奴隷と見做し、戦国時代以降唐末までの奴婢を農奴と見る。 マルクス主義の立場をとる研究者からも、在地の地主に裁判権などの権力が備わっておらず、それらが国家権力の手に集中されており、封建制の重要な内容である領主権力が存在しないため、中国史における封建制概念を否定する見解が出された。封建制に代わる、中国史上の経済制度を特徴づける概念や歴史像はいまだ構築されていない。
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