中之巻(岡崎村梅龍内の段)
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「大経師昔暦」の記事における「中之巻(岡崎村梅龍内の段)」の解説
舞台は洛東岡崎村、浪人赤松梅龍の家。太平記の講釈を業とする梅龍は、玉の伯父であり身元の請人である。夜、家に帰ってきた梅龍のもとに、助右衛門が玉を縛り上げてやって来る。おさんと茂兵衛が家を出たという事件を告げ、おさんがこの「密通」の仲介をしたというのである。梅龍は助右衛門を追い返す一方、玉には主人のために命を惜しんではならないと諭す。 二人で家を出たおさんと茂兵衛は、奈良や伏見や堺を流浪した末、お玉の身を案じて梅龍の家の前にやって来ており、軒下にたたずんで様子をうかがっていたが、二人を思うお玉の言葉を耳にして涙にくれる。そこにおさんの両親(道順夫妻)が、黒谷(金戒光明寺)に向かう途中に通りかかったのと偶然に出会う。道順は不祥事を起こした娘を叱責する一方で、本当の不義を犯したのではないから逃げさせてやりたいという心情の葛藤も吐露する。茂兵衛は自分ひとりで咎を負うと申し出るが、おさんは聞き入れず、二人で茂兵衛の在所である丹波柏原に逃れることとする。道順は、黒谷の和尚に返すつもりであった銀1貫目を落としたことにして、二人に与えて逃す。
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