並進群
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基本並進ベクトル t n = n 1 t 1 + n 2 t 2 + n 3 t 3 {\displaystyle \mathbf {t} _{n}=n_{1}\mathbf {t} _{1}+n_{2}\mathbf {t} _{2}+n_{3}\mathbf {t} _{3}} だけ結晶をずらす操作を並進操作と呼び、(ε|tn)と表記する。並進操作の集まりは群をなし、並進群と呼ばれる。 並進群は3つの巡回群の直積である。 T = T 1 × T 2 × T 3 {\displaystyle T=T_{1}\times T_{2}\times T_{3}} 並進群の既約表現は全て1次元であり、空間群に属する操作が作用する逆格子空間のベクトルをkとすると、 exp ( i k ⋅ t n ) {\displaystyle \exp {(i\mathbf {k} \cdot \mathbf {t_{n}} )}} と表される。
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並進群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 14:53 UTC 版)
「並進演算子 (量子力学)」の記事における「並進群」の解説
全ての x {\displaystyle {\boldsymbol {x}}} についての並進演算子 T ^ ( x ) {\displaystyle {\hat {T}}({\boldsymbol {x}})} の集合 T {\displaystyle {\mathfrak {T}}} は、逐次的な並進(すなわち関数の合成)の結果として定義される乗法の演算について、群のすべての公理を満たす。 閉包: 2回続けて並進した結果は、別の1回の並進となる(上述の「逐次的な並進」を参照)。 単位元の存在: ベクトル0だけの並進は恒等演算子となる。すわなち演算子は何も影響も与えない。これは群の単位元として機能する。 全ての元は逆元をもつ: すでに証明した通り、どんな並進演算子 T ^ ( x ) {\displaystyle {\hat {T}}({\boldsymbol {x}})} も、逆並進 T ^ ( − x ) {\displaystyle {\hat {T}}(-{\boldsymbol {x}})} を逆元として持つ。 結合性: T ^ ( x 1 ) ( T ^ ( x 2 ) T ^ ( x 3 ) ) = ( T ^ ( x 1 ) T ^ ( x 2 ) ) T ^ ( x 3 ) {\displaystyle {\hat {T}}({\boldsymbol {x}}_{1})\left({\hat {T}}({\boldsymbol {x}}_{2}){\hat {T}}({\boldsymbol {x}}_{3})\right)=\left({\hat {T}}({\boldsymbol {x}}_{1}){\hat {T}}({\boldsymbol {x}}_{2})\right){\hat {T}}({\boldsymbol {x}}_{3})} となることを要求する。これは関数の合成に基づくすべての群の場合のように、定義により正しい。 よって全ての x での並進演算子 T ^ ( x ) {\displaystyle {\hat {T}}({\boldsymbol {x}})} の集合 T {\displaystyle {\mathfrak {T}}} は群をなす 。この並進群は連続的に無限個の元をもつ連続群である。さらに並進演算子は互いに交換する、すなわち2回並進(2回続けた並進)はその順番に依らない。よって並進群はアーベル群である。 位置の固有状態のヒルベルト空間上での作用する並進群は、ユークリッド空間でのベクトルの加法の群と同型である。
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