上杉憲房_(戦国時代)とは? わかりやすく解説

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上杉憲房 (戦国時代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/28 08:51 UTC 版)

 
上杉憲房
時代 室町時代後期 - 戦国時代
生誕 応仁元年(1467年
死没 大永5年3月25日1525年4月17日
別名 通称:五郎
戒名 竜洞院殿道憲大成大居士
官位 兵庫頭(創作説あり[注釈 1]
幕府 室町幕府関東管領
氏族 山内上杉家
父母 父:周清[注釈 2]、養父:上杉顕定
兄弟 養兄弟:高山重純正室上条定憲?、顕実
正室:上杉朝昌
憲政
養子:憲寛足利高基四男)
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上杉 憲房(うえすぎ のりふさ)は、戦国時代大名山内上杉家13代当主。関東管領

生涯

応仁元年(1467年)、上杉憲実の子で僧籍にあった周清の子として誕生した。又従兄弟にあたる関東管領上杉顕定の養子となるが、その立場は必ずしも安定しておらず、長尾景春の乱の最末期には長尾景春らによって山内上杉家当主に擁立されていた時期が存在していたことが知られている[2]。また、顕定には実子(庶子)が存在していたとする説もある[注釈 3]。そして、決定的であったのは永正4年(1507年)に古河公方足利成氏の次男・顕実が顕定の養子になると、顕実は顕定の仮名である「四郎」の名のりが許されて、憲房は後継者から外されて庶流としての地位が確定してしまう。その一方で、顕定-顕実とは別に有力な一軍を率いる存在として各地を転戦することになった[2]

顕定と共に越後国守護代長尾為景を討つため出陣し、上野国白井城に駐屯していたが、顕定が長森原の戦いにおいて戦死すると撤退する。関東管領職は顕定の遺言により顕実が継いでいたが、憲房は顕実と争って勝利し、永正9年(1512年)に山内上杉家の家督を継ぎ、永正12年(1515年)の顕実の死によって関東管領職をも継いだ[4]永正の乱)。

しかし家臣・長尾景春の離反、扇谷上杉家上杉朝興相模国北条氏綱甲斐国武田信虎などとの長年の抗争による不安定な情況の中で病に倒れ、大永5年(1525年)3月25日、59歳で死去した。

実子・憲政は幼少のため、先に養子として迎えていた憲寛[注釈 4]が跡を継いだが、憲房と顕実同様に憲政と憲寛の間でも争いが繰り広げられ、結局は憲寛を追放した憲政が家督を継いだ。

脚注

注釈

  1. ^ 山内上杉家では15世紀後半以降に関東管領そのものが事実上の官途とみなされ、憲房には実際の官途はなく、「兵庫頭」は江戸時代の創作とされる[1]
  2. ^ 秀晟、周尋とも。上杉憲実の子。
  3. ^ 森田真一は上条定憲を顕定の庶子とする説を採る[3]
  4. ^ 古河公方・足利高基の子・晴直。

出典

  1. ^ 木下聡「山内上杉氏における官途と関東管領職の問題」『日本歴史』第685号、2005年。 /所収:黒田基樹 編 『山内上杉氏』戒光祥出版〈シリーズ・中世関東武士の研究 第一二巻〉、2014年。ISBN 978-4-86403-108-0 
  2. ^ a b 黒田基樹「上杉憲房と長尾景春」『千葉史学』58号、2011年。 /所収:黒田基樹 『戦国期 山内上杉氏の研究』岩田書院、2013年。ISBN 978-4-87294-786-1 
  3. ^ 森田真一「上条上杉定憲と享禄・天文の乱」『新潟史学』46号、2001年。 
  4. ^ 大日本史料9編6冊1頁(大日本史料総合データベース)”. 東京大学史料編纂所. 2017年7月1日閲覧。



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