三徳_(儒学)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 三徳_(儒学)の意味・解説 

三徳 (儒学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/18 06:48 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

三徳(さんとく)とは、儒学でいわれる3つの徳のこと。一般的にはの徳目をいう。

儒教的三徳

四書のひとつ『論語』に「智の人は惑わず、仁の人は憂えず、勇の人は恐れない」[注釈 1]とあり、孔子を大いなると見なしている。また、同じく四書に数えられる『中庸』には「好学近乎知、力行近乎仁、知恥近乎勇」[注釈 2]とあって、「智仁勇の三者は天下の達徳なり」と述べ、「三達徳」(万人が修めるべき3つの徳)としている。

また、12世紀中国(南宋)の儒学者朱熹(朱子)が著した『中庸章句』には智仁勇の三徳を入道の門としている。

「三徳」の日本での展開

江戸時代初期の日本の儒者林羅山は、寛永年間(1624年-1643年)以降に著した自らの著作『三徳抄』において、朱子学(朱熹の学説)にもとづいて三徳を大まかに論じ、また、『中庸』における五達道との関連を述べながら三徳がたがいに他を含み合う関係にあると説明している[1]。羅山はさらに、神道と儒学は同根であるという「神儒合一」を説き、日本神話中の「三種の神器」を「三徳の象徴」とみなした[2][注釈 3]

なお、南北朝時代の武将北畠親房は、『神皇正統記』(1343年)において、政道は正直慈悲智恵の三徳を具現化したものでならなければならないという論を展開したが、この三徳は知・仁・勇の儒教的三徳とほとんど同一視される[3]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 『論語』巻第五・鄕黨第九
  2. ^ 『中庸』二十章
  3. ^ 羅山はさらに、神道、王道、儒道、人道の根本は同一であり、神はであるとして理当心地神道を説いた。

参照

  1. ^ 石田(2004)
  2. ^ 岩城(1979)p.108
  3. ^ 玉懸(2004)

参考文献

  • 岩城隆利「林羅山」日本歴史大辞典編集委員会『日本歴史大辞典第8巻 は-ま』河出書房新社、1979年11月。
  • 石田一良「三徳抄」小学館編『日本大百科全書』(スーパーニッポニカProfessional Win版)小学館、2004年2月。ISBN 4099067459
  • 玉懸博之「神皇正統記」小学館編『日本大百科全書』(スーパーニッポニカProfessional Win版)小学館、2004年2月。

関連項目


「三徳 (儒学)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「三徳_(儒学)」の関連用語

三徳_(儒学)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



三徳_(儒学)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの三徳 (儒学) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS