三之丸東照宮の模型
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東京大学工学部建築学科所蔵に「旧備品台帳」の説明に「権現造」とだけ記載されている東照宮の社殿の約1/20スケールの精密に作られた模型が存在している。これは、戦災で焼失した名古屋東照宮の社殿模型で、社殿焼失前の1937年(昭和12年)頃に調査が行われ、それをもとに製作された模型であると、太田博太郎や大河直躬ら建築史家の調査で指摘されており、戦災以前の名古屋東照宮の手がかりを知る貴重な模型だとされている。この名古屋東照宮の権現造の模型は1937年(昭和12年)に名古屋汎太平洋平和博覧会で行われた時、名古屋出身の伊藤流の工匠加納茂一が博覧会の為に制作して出展した数ある社殿模型の中の一つであり、博覧会の後に加納が東京大学に寄贈したものである。なお、戦災以前の名古屋東照宮の実測図はなく、修理工事報告書や文化庁保存図面も存在していない。この名古屋東照宮の権現造模型では戦前に撮影された10枚ある名古屋東照宮の写真と比べて一部相違点が見られる部分があるが、ほぼ姿形が一致しており、かなり忠実に設計、製作されている[出典無効]。模型では、現在の本殿である四方寄棟造の御霊屋とは当然姿形が違い、久能山東照宮や日吉東照宮の様な権現造で、千木・鰹木が2本付いた瓦屋根は檜皮色で、白壁や朱色の柱と扉などに極彩色がほどこされており、模型内部も精密であり、一部の造作も造られていて、扉を開くと内部も覗く事が出来る様に作られているなど、かなり精密に作られている。『小さな建築―模型のトポロジー』INAX BOOKLET Vol.7 No.2(1987年(昭和62年))などで、この戦災以前の名古屋東照宮の模型が紹介された。
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