一次研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 10:32 UTC 版)
米国と日本では、リリーが2013年5月から2016年8月まで第I相試験を実施した。この研究は、アミロイドPETスキャンが陽性の、軽度のアルツハイマー病患者を対象に行われた。100名の被験者に、月4回までドナネマブを静脈内注射した。第I相試験は、さまざまな試験で1つの対照群を使用する多腕試験であった。肯定的な結果は、患者の脳内で過剰なミロイドタンパクががありアルツハイマー病の初期兆候を示している。毎月、0.1 mg/kgから10 mg/kgの用量が、平均年齢74歳の男性と非妊娠女性に注射された。有害事象によりリリーが試験を変更するまでに1月あたり最大4回の注射が行われ、注射の回数を月あたり最大8回まで、患者への投与量を0.1 mg/kgから0.3 mg/kgに増やされた。投与量の変更に伴って被験者も減少し、書類上のボランティアが37名、結果が公開されている被験者が9名となった。投与量の変更に伴って被験者も減少し、書類上のボランティア37名が患者9名となり、結果が一般に公開されたことと関係していた。 リリーは、治療を受けた37人の患者と、プラセボを受けた12人のボランティアに有害事象があったことを明らかにした。ドナネマブの最高用量を血中に注入することで、脳内のプラーク負担の影響を軽減させた。全体として、より高い投与量が脳内のタンパク質プラークを40%減少させるという結果を得られた。単回投与をしたとき有害症状はなかった。ドナネマブは非常に免疫原性が高く、注入した元の抗体の効果を高める免疫応答を起こすことがわかった。複数回投与された次の試験では、6名の患者に悪寒、顔面紅潮、めまい、発疹、発熱などの急性輸液反応が見られた。ARIA-Eの患者はいなかったが、ARIA-Hの場合、脳内に小さな出血を残すケースがあった。ARIA-Hの2例は無症候性(英語版)であった。ほとんどの人は、10日間の短い半減期で、薬の効果を低下させる抗薬物抗体を作っていた。
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