ルーマニア最良の戦闘機
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「IAR-81 (航空機)」の記事における「ルーマニア最良の戦闘機」の解説
1943年には、IAR-80・81シリーズの最終型となったIAR-81Cが初飛行を果たした。IAR-80・81シリーズにおいて戦闘機型の完成型となったIAR-81Cは、IAR-80Cとともに20 mm機関砲を搭載する対爆撃機用迎撃戦闘機として設計されていた。余計な爆撃装置の除去により、IAR-81Cの最大速度は最大514 km/hに達するようになった。この機体はIAR-80Cとほぼ同じであったが、IAR-80CのイカリアMG-FF/M機関砲に代わり、より強力なドイツのマウザー製機関砲MG 151/20が装備された点で異なっていた。MG-FF/MはMG 151/20と同じ口径20 mmの機関砲であるが、弾道特性や装弾数の点で不評であったスイス製エリコンFF 20 mm 機関砲のドイツでのライセンス生産型・MG-FFの改良型であり、より高性能なMG 151/20への換装は戦闘力を大きく向上させたといえる。 IAR-81Cの試作機の一つには対重爆撃機編隊迎撃用として、一対のドイツ製210 mmロケット弾発射筒・Wfr.Gr.21が翼下に装備された。しかし大きく重いこの兵器の搭載試験は不成功に終わり、量産型にロケット弾が搭載されることはなかった。 ブラショフの工場からは1943年末までに161機のIAR-81Cが生産されたが、その後このルーマニア最高の戦闘機の生産は中止となった。当時、すでにIAR-81やIAR-80では能力不足になっていたのである。代わって、IARではドイツのメッサーシュミット製戦闘機Bf 109G-6のライセンス生産型であるBf 109Ga-6の生産が開始された。 これ以前に生産されたIAR-80A/B・81A/Bも運用上の要求からIAR-81C仕様に改修され、MG 151/20機関砲2 門とFN機銃4 門を搭載した。これらの機体はそれぞれIAR-80M、IAR-81Mと呼ばれた。
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