リンパ組織誘導細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:02 UTC 版)
リンパ組織誘導細胞(LTi細胞)はリンパ系の発生に必要な分子群を発現するILCの一群である。これらは、胚発生中のリンパ系の発生に必須であり、出生後もリンパ系の構造維持に必要である。さらに、T細胞の免疫記憶の維持にも関わっている。 LTi細胞は、そのユニークな発生経路から別の系統と考えられているが、多くの類似した特徴を持つことから、ILC3グループの一部と考えられることが多い。ILC3と同様に、LTi細胞はRORγtに依存している。LTi細胞は、TNFファミリーの一員であるリンホトキシン(英語版)の作用により、リンパ組織の発達を促進し、二次リンパ節やパイエル板の形成に関与している。LTi細胞は、胚期と成体期の両方における免疫系の発達で重要な役割を果たしており、その為LTi細胞は胚期の早い段階で臓器や組織に存在している。LTi細胞は、一次リンパ組織と二次リンパ組織の組織化、および成体のリンパ組織において、獲得免疫反応を制御し、二次リンパ組織の構造を維持するという極めて重要な役割を担っている。 その産生は、レチノイン酸、CXCL13(英語版)、RANKL(英語版)、サイトカインIL-1β、IL-23、IL-6によって刺激される。c-Kit(英語版)、CCR6(英語版)、CD25(英語版)、CD127(英語版)、CD90(英語版)を発現するが、NCRは発現しない。OX40L(英語版)の発現は、成体マウスおよびヒトにおけるLTi細胞のもう一つの優れたマーカーである。LTi細胞は、CD4+/-の何れかになる。ILC3と同様に、LTi細胞は、活性化されると殆どが、IL-17A、IL-17F、IL-22を産生する。これは、RANK(英語版)、TNF、IL-17、IL-22によって媒介される。 LTi細胞は、胚の胸腺上皮細胞の発達を促す事で、リンホトキシンα4β7とRANKLのシグナルを介して自己免疫調節遺伝子(英語版)(AIRE )の発現を誘導する。 LTi細胞はまた、新しく形成されたリンパ節内で、CD4+T細胞にシグナルを送るTNFファミリーのOX40LとCD30L(英語版)を介して記憶CD4+T細胞の生存を可能にし、従って記憶免疫応答を可能にする。この役割は、自己免疫を予防したり、ワクチン接種後の記憶反応を高めたりする為に利用出来る。
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