ラートハウスマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/26 00:59 UTC 版)
尖塔の一番上には「ラートハウスマン」(Rathausmann,“市庁舎の男”の意)と呼ばれる、旗を持った騎士の像が立っている。この像は鍛造職人のルートヴィヒ・ヴィルヘルム (Ludwig Wilhelm) からウィーン市への贈り物で、アレクサンダー・ネーア (Alexander Nehr) がフランツ・ガステル (Franz Gastell) のモデルにより制作したものである。デザインの基になったのはマクシミリアン1世が使っていた鎧であるといわれる。 市庁舎建設の際、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は「(近隣にある)ヴォティーフ教会よりも高くしないでほしい」という注文をつけた。設計者のフリードリヒ・フォン・シュミットはこれに従い、市庁舎の塔の高さを、99メートルのヴォティーフ教会よりもわずかに低い98メートルとした。しかし、塔の上にこの騎士像を据えることで、ヴォティーフ教会の高さを超えてしまうことになった。騎士の高さは3.5mだが、持っている旗を含めると5.4mになり、総重量は1,800kgである。ラートハウスマンは1892年10月21日にウインチでつり上げられて設置され、この日とり行われた上棟式の最後を締めた。 1985年に市庁舎の塔が修復工事を受けた際、ラートハウスマンも一旦塔から降ろされ、工場でレストアされた。この時にレプリカが1体制作され、市庁舎の南側に置かれている。 ラートハウスマンは今やウィーンを象徴する存在のひとつになっており、ラートハウスマンの金色のミニチュア「ゴールデン・ラートハウスマン」は、業績のあった人物にウィーン市から贈られる賞として定着している。ウィーン市役所では掲示やパンフレットなどにラートハウスマンをデザインしたロゴを使用している。ウィーン社会民主党がメーデーに市庁舎前で行なったデモ行進では、ラートハウスマンをかたどったピンバッジが参加者の胸を飾った。
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