ラドンとトロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/19 10:09 UTC 版)
ウラン238、トリウム232の崩壊により、それぞれラドン222、ラドン220が生まれる。どちらも放射性の希ガスであり、それぞれ「(狭義の)ラドン」「トロン」という通称で呼ばれる。天然のウラン鉱石(およびその崩壊生成物であるラジウム鉱石)やトリウム鉱石は、絶えずラドンガスを生み出しているのである。屋外であれば、ラドンガスは化学反応をすることなく大気中に拡散し、いずれは崩壊して安定核に変化する。 しかし、家屋の下の地面、または、たとえばコンクリートの骨材としての砂やアスファルト舗装の路盤に使う砂利のような建材に含まれるウラン(およびラジウム)やトリウムが崩壊すると、建物の中の空気にラドンガスが蓄積していく。特に換気頻度が低い場所、例えば地下室、坑道、あるいは高気密住宅では時として問題になるほどの濃度にまで至ることがある。 国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告では、既に建てられた建造物については200Bq/m3を越える場合は対策を講じるべきであると勧告している。 また、新築の場合にあっては100Bq/m3を越えないようにするべきであるとしている。 現在、平均的な年間被曝線量2.4mSv/年のうちラドンガスによる被曝は1.2mSv/年を占めている。
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