ラドン–ニコディム性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 17:26 UTC 版)
「ボホナー積分」の記事における「ラドン–ニコディム性」の解説
ボホナー積分に関してラドン–ニコディムの定理が一般には成立しないという重要な事実がある。これはバナッハ空間のラドン–ニコディム性として知られる重要な性質である。具体的に、μ を可測空間 (X, Σ) 上の測度とすると、B が μ に関するラドン–ニコディム性を持つとは、(X, Σ) 上の B に値をとる任意の有界変動かつ μ-絶対連続な可算加法的ベクトル測度 γ に対して、μ-可積分函数 g: X → B で γ ( E ) = ∫ E g d μ {\displaystyle \gamma (E)=\int _{E}g\,d\mu } を任意の可測集合 E ∈ Σ に対して満たすものが存在することをいう。 バナッハ空間 B がラドン–ニコディム性を持つとは、B が任意の有限測度に関してラドン–ニコディム性を持つときに言う。l1 はラドン–ニコディム性を持ち、c0 や Rn の有界開領域 Ω に対する L∞(Ω), L1(Ω) および C(Ω) はラドン=ニコディム性を持たないことが知られている。ラドン–ニコディム性を持つ空間には、可分な双対空間(ダンフォード–ペティスの定理)や回帰的バナッハ空間(特にヒルベルト空間)などがある。
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