ラダートリムの問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 14:17 UTC 版)
「USエアー5050便離陸失敗事故」の記事における「ラダートリムの問題」の解説
デジタルフライトデータレコーダーを分析したところ、ラダートリムは左端に移動していたが機体はゲートに駐機されていた。ゲートに駐機中はフライトデータレコーダーへの電源がオフになっているため、NTSBはラダートリムが左端まで移動した理由を特定することができなかった。最終的に誰かがジャンプシート(コントロールペデスタルの真後ろに位置)に着席し、コントロールペデスタルの上に足を置いていて誤ってトリムノブを切り替えたと推測された。このノブは、そこから突き出た平らでまっすぐな部分を持ち上げていた。この事故の後、同様の事態を防ぐためにボーイング737のラダートリムノブは丸みを帯び、台座の後部の周りに高い隆起部が追加された。離陸前チェックリストを行った時点でパイロットはラダーの異常に気付くはずであったが、パイロットはその時点でラダーがゼロトリム(ニュートラル)位置にあることを確認しなかった。機長はまた、滑走路へのタキシング中にラダーペダルが不均等に4¼インチ変位し、前輪が左に4度傾いていることに気付かなかった。 NTSBは結局、事故機が離陸するまでの間に機長が何故ラダーペダルの位置のずれ、常時左折しようとする機体の傾向、出発前と離陸前の2度のチェックリストの確認項目に入っているなどラダーの異常に気付くチャンスがあったにも関わらず異常を認識できなかったのかを理解できなかった。 レポートで論じられている安全上の問題はボーイング737-400のラダートリムコントロールの設計と位置、離陸中の乗員の調整とコミュニケーション、乗員の組み合わせ、そして衝突時の生存可能性である。これらの問題に対処するための安全勧告は、連邦航空局およびニューヨーク・ニュージャージー港湾公社に対して行われた。(The safety issues discussed in the report are the design and location of the rudder trim control on the Boeing 737-400, air crew coordination and communication during takeoffs, crew pairing, and crash survivability. Safety Recommendations addressing these issues were made to the Federal Aviation Administration and the Port Authority of New York and New Jersey.)
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