ラスマス・ソーネスの時計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/08 15:03 UTC 版)
「天文時計」の記事における「ラスマス・ソーネスの時計」の解説
ノルウェー人ラスマス・ソーネス(Rasmus Sørnes )によって設計・製作された4つの天文時計のうち最後の1つは、これまで知られているこの種の時計の中でおそらく最も複雑なものであるとされており、精巧な機械が 0.70 × 0.60 × 2.10 メートルというさほど大きくない容器の中に詰め込まれている。十二宮上の太陽と月の位置、ユリウス暦の暦表、グレゴリオ暦の暦表、恒星時、グリニッジ標準時、夏時間とうるう年つきの時計、太陽・月の周期の補正、食、日出・日没、月齢、潮汐、太陽黒点の周期、さらに248年で1周し、25800年ごとに(地球の歳差により)極食(Polar Ecliptics )を起こす冥王星を含むプラネタリウムが含まれている。全ての歯車は真鍮製で、金めっきが施されている。文字盤は銀めっきである。 ソーネスはまた、必要な道具類も自作し、彼自身が行った天体観測に基づいて製作を行った。ソーネスの時計は1人の職人による手作りの芸術品としては最後の天文時計であると考えられている。その性能と正確性のすばらしさから、ソーネスによる電気振り子の仕掛けは機械からデジタルへの時計の変遷の象徴とされている。イリノイ州ロックフォードのタイム・ミュージアムからシカゴ科学産業博物館へと渡ったのち2002年に売却され、その後どこにあるのかは知られていない。ソーネスの3番目の時計、彼の道具類、特許、図画、望遠鏡などはノルウェー、サルプスボルグのボーガリッセル博物館(Borgarsyssel Museum )で展示されている。
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