ユーチューバー (小説)
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『ユーチューバー』は村上龍の小説。2023年(令和5年)3月30日、幻冬舎より刊行された[1]。のちに文庫化。
ユーチューバー | ||
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著者 | 村上龍 | |
発行日 | 2023年3月30日 | |
発行元 | 幻冬舎 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | JPN | |
言語 | 日本語 | |
ページ数 | 176 | |
コード | 978-4-344-04102-8 | |
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長編小説と銘打ってあるが、実質的には連作短編小説の体を成している。
あらすじ
ユーチューバー
- 書き下ろし
70歳になった著名な作家矢﨑健介は、自称「世界一モテない男」に依頼され、YouTubeにて自身の女性遍歴を語る動画を撮影することになる。
撮影当日、矢﨑はカメラに向かって語り掛けながら、過去を回想していた。
ホテル・サブスクリプション
お茶会社の創業者の子孫である「わたし」は都内の高層ホテルの最上階のプールで、著名な作家矢﨑健介に出会う。「わたし」は自分のことを世界一モテない男だと紹介する。三か月後、ホテル内で矢﨑と邂逅した「わたし」は、矢﨑に誘われ彼が泊っているホテルのVIPルームへ向かい、興味深い話を聞く。
ディスカバリー
「わたし」は金融関係に勤めている女性で、毎晩矢﨑とホテルで会っている。彼女はホテルで矢﨑と色々な映画やディスカバリーチャンネルを観て、語り合う。「わたし」はまた、死者の写真に不思議な興味を持っていた。
ユーチューブ
矢﨑健介は「彼女」が寝静まった後、独りYouTubeを観る。昔のテレビ番組やミュージックビデオ、ライブ映像など。ある晩、矢﨑に対し「わたしはユーチューバーになる」と主張する世界一モテない男に出会う。
解説
本書には著者村上龍を模した矢﨑健介という人物が登場する。物語は著者自身の自伝的なものだとする評価も多かったが、村上龍によれば、「そう受け取っている人は、作家に騙されているんです」とインタビューで語っている。また「ただし、嘘99%のシークエンスでも、本当のことが1%ほど含まれていたりします」とも言っている[5]。
本書に登場するエピソードは、『村上龍映画小説集』に通ずるものが多い。
脚注
- ^ “『ユーチューバー』村上龍”. 幻冬舎. 2025年4月13日閲覧。
- ^ “文學界 2021年2月号”. 文藝春秋. 2025年4月13日閲覧。
- ^ “新潮 2021年9月号”. 新潮社. 2025年4月13日閲覧。
- ^ “文藝 2022年秋季号”. 河出書房新社. 2025年4月13日閲覧。
- ^ “作家村上龍が語る「自由、希望、セックスを厭うな」”. 東洋経済新報社. 2025年4月13日閲覧。
外部リンク
- ユーチューバー_(小説)のページへのリンク