ユークリッド空間の計量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/02 09:20 UTC 版)
「ユークリッド空間」の記事における「ユークリッド空間の計量」の解説
(S, V) を n-次元ユークリッド空間とする。二変数の函数 d: S × S → R を d ( P , Q ) := ‖ P Q → ‖ = ⟨ P Q → , P Q → ⟩ {\displaystyle d(P,Q):=\|{\overrightarrow {PQ}}\|={\sqrt {\langle {\overrightarrow {PQ}},{\overrightarrow {PQ}}\rangle }}} によって定義すればこの d は距離関数の条件を満たし、d(P, Q) を P と Q の間の距離と呼ぶ。したがって (S, d) は距離空間である。場合によっては、この距離空間と同相な位相空間もユークリッド空間と呼び、En などで表すこともある。(O; B) が直交座標系である場合、この座標系における S の点 P および Q の座標をそれぞれ x = (x1, x2, …, xn) および y = (y1, y2, …, yn) とすれば、P と Q との距離は d ( P , Q ) = ∑ i = 1 n ( y i − x i ) 2 {\displaystyle d(P,Q)={\sqrt {\sum _{i=1}^{n}(y_{i}-x_{i})^{2}}}} と表すことができる。 (S, V) をユークリッド空間とする。S の異なる二点 P, Q に対して、S の部分集合 { R ∈ S ∣ ∃ t ∈ [ 0 , 1 ] ( P R → = t ⋅ P Q → ) } {\displaystyle \{R\in S\mid \exists t\in [0,1]({\overrightarrow {PR}}=t\cdot {\overrightarrow {PQ}})\}} を P と Q を端点とする線分、あるいは線分 PQ などと呼ぶ。線分 PQ の長さ(あるいは大きさ)とは距離 d(P, Q) のことをいう。また、シュワルツの不等式より、S の異なる三点 P, Q, R に対して、 cos θ = ⟨ P Q → , P R → ⟩ ‖ P Q → ‖ ⋅ ‖ P R → ‖ {\displaystyle \cos \theta ={\frac {\langle {\overrightarrow {PQ}},{\overrightarrow {PR}}\rangle }{\|{\overrightarrow {PQ}}\|\cdot \|{\overrightarrow {PR}}\|}}} をみたす θ ∈ [0, π] がただ一つ存在するので、これを線分 PQ と線分 PR のなす角 ∠QPR と言う。 以上のように定義された直線、平面、線分、角度などの概念を用いることによって、ユークリッド空間の中でユークリッド幾何学を展開することができる。
※この「ユークリッド空間の計量」の解説は、「ユークリッド空間」の解説の一部です。
「ユークリッド空間の計量」を含む「ユークリッド空間」の記事については、「ユークリッド空間」の概要を参照ください。
- ユークリッド空間の計量のページへのリンク