ユークリッド関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:04 UTC 版)
ユークリッドの著『原論』には 公理 1 同じものに等しいもの同士は互いに等しい という公理がある。今日において、上の公理の「等しい」という部分をすべて「関係する」と書き換えた性質を満足する関係はユークリッド的(英語版)であると言われる。二項関係 R に関して一般には aRb は bRa と相異なるから、ユークリッド関係も 左ユークリッド関係: (aRc かつ bRc) ならば aRb 右ユークリッド関係: (cRa かつ cRb) ならば aRb の二種類が考えられる。ユークリッド関係と同値関係との関係は以下のように述べることができる: 定理 与えられた左(または右)ユークリッド関係が反射的ならば、その関係は対称的かつ推移的となる。 証明は以下のようにすればよい。 左ユークリッド関係の性質 [(aRc かつ bRc) ならば aRb] において a = c ととれば、[(aRa かつ bRa) ならば aRb] を得る。いま仮定により R は反射的だから恒真となる aRa を除去すれば対称性 [bRa ならば aRb] を得る。 対称性が示されたから、左ユークリッド関係の性質 [(aRc かつ bRc) ならば aRb] において bRc を cRb で置き換えて推移性 [(aRc かつ cRb) ならば aRb] を得る。 右ユークリッド関係についても同様。ゆえに、同値関係は反射的かつユークリッド的な二項関係として特徴づけられる。
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