ユークリッド空間の点列コンパクト性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 05:47 UTC 版)
「ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理」の記事における「ユークリッド空間の点列コンパクト性」の解説
ℝn の部分空間 A が、A 内の任意の列が A の元に収束する部分列を持つと仮定する。このとき、A は有界である。実際、有界でないとすれば A 内の点列 xm で ‖ xm ‖ ≥ m (∀m) を満たすものが存在するが、この列の任意の部分列は非有界で、したがって収束しない。さらに A は閉集合である。これは A の補集合に属する非内点 x から、x に収束する A-値の点列が作れることによる。したがって、ℝn の部分空間 A が、A 内の任意の点列が収束する部分列を持つ—すなわち点列コンパクトな部分集合—であることは、ちょうどそれが有界閉集合となることに同じである。 定理をこの形に述べることで、ハイネ–ボレルの被覆定理との類似性が特に明らかとなる—ハイネ–ボレルの定理の示すところは「ℝn の部分集合がコンパクトであるための必要十分条件が、それが有界閉集合であること」であった—。実は、位相空間論の一般論として「距離化可能空間がコンパクトであるための必要十分条件は、それが点列コンパクトであることである」ことが言えるので、ボルツァノ–ヴァイヤシュトラスの定理とハイネ–ボレルの定理は本質的には同じものということになる。
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