ユビキチンシステム
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「ユビキチン結合酵素」の記事における「ユビキチンシステム」の解説
ユビキチン活性化酵素(E1)はまず、活性部位のシステイン残基にユビキチンを共有結合させることでユビキチンを活性化する。活性化されたユビキチンはその後、ユビキチン結合酵素(E2)のシステイン残基へ転移される。ユビキチンが結合すると、E2分子はいくつかのユビキチンリガーゼ(E3)のうちの1つへ、構造的に保存された結合領域を介して結合する。E3分子は基質となる標的タンパク質への結合と、E2のシステインから標的タンパク質のリジン残基へのユビキチンの転移を担う。 ユビキチンシステムの模式図 特定の細胞は通常わずかな種類のE1分子のみを持っているのに対し、E2分子の多様性はより大きく、E3分子の多様性は極めて大きい。そのため、基質の特定と結合を担うE3分子が、プロテアソーム分解の基質特異性を与える機構である。E2の各タイプはそれぞれ多くのタイプのE3と結合する。
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ユビキチンシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 15:41 UTC 版)
標的タンパク質に対するユビキチンの付加はユビキチンシステムと呼ばれ、3つの酵素、ユビキチン活性化酵素 (E1)、ユビキチン結合酵素 (E2)、さらにユビキチン転移酵素(ユビキチンリガーゼ) (E3) によって行われる。標的タンパクのリシンの側鎖のアミノ基 (−NH2) とユビキチンのC末端のグリシンがアミド結合することでひとつめのユビキチンが付加され、更にそのユビキチンの中のリシンの側鎖に更に次のユビキチンが付加する、といった具合に複数のユビキチンが次々と付加されることがわかっている。ユビキチンリガーゼは基質タンパク質のdegronと呼ばれる配列を認識して結合する。Degronの認識にはタンパク質の翻訳後修飾(リン酸化、水酸化、脱アセチル化等)が重要な役割を果たす場合があり、また、どのような修飾がユビキチン化に関与するかはそれぞれの基質によって異なる。例としてレセプターにはリン酸化が、HIF-1αには水酸化がそれぞれ選択的ユビキチン化に必要である。ポリユビキチン化されたタンパク質はプロテアソームと呼ばれる巨大な酵素複合体のプロテアーゼによって分解される(ユビキチン-プロテアソームシステム)。また、一度標的タンパク質に結合してプロテアソームに取り込まれたユビキチンは、脱ユビキチン化酵素(DUB)によって基質から除去され、再利用される。またシグナル伝達やクロマチンの修飾にも用いられる。
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