ユニークな方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 07:19 UTC 版)
肺胞呼吸音の定量的評価 肺胞呼吸音の強さは口を通過する空気の流量に比例するが、一方、その流量は患者の努力や換気能に左右される。したがって、呼吸音は正常人が運動後に激しく呼吸をすれば強くなるが、閉塞性呼吸器疾患で流量が減少していれば弱くなる。呼吸音は気胸や胸水のように、胸壁と肺の間に空気や液体が介在する場合も減弱する。そこでPardeeは肺胞呼吸音のスコアリングを考案した。胸部の6箇所(左右の上前部、腋窩中線、背部肺底部)を次々と聴診し、各々の部位を以下のように点数化する。吸気音なしなら0点、ほとんど聞こえないなら1点、かすかだが確かに聞こえるなら2点、正常なら3点、正常以上なら4点とする。すると合計点は0点から24点の範囲おさまる。呼吸音得点が9以下は慢性の気道閉塞の有力な根拠となり、15以上はその診断を強く否定する根拠になる。 努力性呼気時間 胸骨上陥凹部の気管上にベル型の聴診器を置き、患者に深く息を吸い、それを思いっきり早く呼出するように指示する。ストップウォッチを使い、聴取可能な呼気の時間を2分の1秒単位まで測定する。努力性呼気時間が3秒以内であれば閉塞性疾患は否定的であり、9秒以上であればその可能性が高まる。努力性呼気時間は閉塞に対する特異的な検査法である。拘束性肺疾患では、閉塞性肺疾患と同様に1秒率の減少はあるが、努力性呼気時間が4秒以内であるのが通例である。
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