メモリバンク制御チップとしてのSCC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 06:34 UTC 版)
「SCC」の記事における「メモリバンク制御チップとしてのSCC」の解説
SCCのメモリバンク制御の機能としては、1バンクの大きさは8KiB固定で、バンクレジスターは6ビット長の物が4つ用意されているため、それらの制御によって512KiBの空間を管理することを可能にしている。ROMゲームカートリッジとしてはその空間にROMが接続され、前述の拡張音源とともに利用されている。 単体での発売はされていないが、MSX版スナッチャーならびにSDスナッチャーでは、該当ソフトウェアでのディスクキャッシュを目的としてSCCに接続された64KiBのRAMを搭載しており、128KiB分のメモリを搭載可能なほぼ同等の回路で構成されている。但し、チップに対して接続されているRAMが、スナッチャーのカートリッジではアドレスの前半、SDスナッチャーでは後半に実装されており、相互に交換して使うことは出来ない。スナッチャーや、SDスナッチャーはこれらのキャッシュを前提に設計されているため、ハードウェアドングルとしての役割も担っている。 後に発売された「コナミゲームコレクション」では一部のゲームにSCC音源用BGMが収録されており、これは「スナッチャー」付属カートリッジに対応して演奏されたが、SDスナッチャーのカートリッジは前述の実装アドレスの都合から認識しない。二つのSCCカートリッジは基板自体は同じであるため、SDスナッチャーの方でも空きパターンにメモリを実装することで、上記のゲームにおいて認識させることが可能になる。 多くのMSX用の拡張ハードウェアと異なり、このカートリッジには制御用のBIOSなどのソフトウェアは搭載されていない。SCC自体の持つメモリ管理機能によって、コナミ8Kバンク方式のROMイメージを搭載されたRAM上に転送することで、ソフトウェアを実行することも可能である。 日本のユーザー間の一部ではこれらの仕組みを利用し、SCCを搭載したROMカートリッジを使用し、SRAMとキャパシタによるバッテリーバックアップ可能なメモリカートリッジとして、似非SCC DISKと呼ばれる同人ハードウェアの作例が頒布され、作成されたりしていた。
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