メニュー・コスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 20:22 UTC 版)
「ニュー・ケインジアン」の記事における「メニュー・コスト」の解説
新ケインズ派が一般的に使う用語として「メニュー・コスト」がある。会社が商品の価格を変更しない理由は、商品が負っている経費による。例えば、新しいカタログ、価格表、メニューを作る経費はメニュー・コストと考えられる。これらの宣伝費やメニュー・コストは、商品の価格を変えて、メニューをすべて作り直さなければならない場合に増大する。たとえそのメニュー・コストが小さいとしても、短期的には経費全体を変動させる。会社はそのコストを支払わねばならないだけでなく、価格変更にともなう外部性(externalities)がある。 マンキューが説明するように、供給資金の減少のため価格を下げる会社は、顧客の可処分所得を上げるであろう。価格を下げる決定は買い手がより多く購入できるようにするが、その時必ずしも価格を下げた当の会社の製品を買うわけではない。他社の販売を援助したくない会社は、価格を下げる前に躊躇するであろう。 パソコンなどで印刷したりインターネットにメニューを掲示することが普及して、メニューを替えることが簡単になっている。また、ディスカウント・セール(安売り)やクーポン券を使った割引により、メニューを替えなくても価格を下げることができることから、メニュー・コストは過度に強調されているのではないか、との批判もあった。しかし、メニューを消費者周知させるコストは存在するので、広義のメニューコストは無視できない存在であると考えられている。
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