メディアとしての錦絵新聞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 13:55 UTC 版)
「錦絵新聞」の記事における「メディアとしての錦絵新聞」の解説
錦絵新聞は「発想・スタイルの目新しさとゴシップ主体の性格」が受け、それまで新聞に縁のなかった一般大衆に大人気となった。振り仮名があるニュースの絵説きは漢字をあまり知らない層でも容易に読めたため、「新聞」の面白さを一般大衆に知らしめることとなったのである。視覚的報道メディアとして、またゴシップ・ジャーナリズムの媒体として、のちの写真週刊誌やテレビのワイドショーにも通ずるものがある。「新聞」と同じく、東京土産としても喜ばれた。 しかし、速報性という点では、新聞記事の後追いであり、早くとも数日遅れ、題材によっては何か月も後の発行であった。錦絵新聞の成功を追うように平仮名絵入新聞のような、絵と振り仮名をそなえた小新聞が発行され始めると、それに押されるように錦絵新聞は大衆の視野から消えていった。廃れた理由は、速報性においては新聞に劣ることのほか、「民衆の錦絵離れ」が指摘されている。 錦絵新聞の絵師は小新聞の挿絵画家に、文章筆者は小新聞の記者、寄稿者になったものも少なくない。版元であった絵草子屋の中には、新聞の販売を担当するようになったものもあった。 なお、東京日日新聞や郵便報知新聞の錦絵版のように多数の発行が確認されるもののほか、本紙の宣伝や付録として、ごく限られた回数のみ発行されたものもある。
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