メキシコ湾での発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 01:02 UTC 版)
メキシコ湾の化学合成生物群集は、20年以上もの研究の歴史がある。特に、大陸斜面上部には世界で最初に発見された湧出帯があり、おそらく一番研究が行われている場所である。発見当初の動物群は、30年間変わらず存在し続けている。 1983年、有人潜水艇アルビン号がメキシコ湾東部を航行中に、生物群が発見された。フロリダ海底崖(英語版)の底の、温度の低い塩水湧出帯を調査中に、思いがけなくチューブワームや貝類を発見したのである。 1984年11月、2つの化学合成生物群集が、メキシコ湾で相次いで発見された。当時テキサスA&M大学が石油湧出の底生生態系に対する影響を調査していた。海底トロール中に、チューブワームや貝類を含む大量の化学合成生物を発見した。それまでは石油湧出は生態系にとって完全にマイナスだと思われていた。同じ頃、アメリカ海洋エネルギー管理・規制・執行局(英語版)により、メキシコ湾北部大陸斜面の調査が行われた。調査会社が撮影した海底写真には1977年に大西洋で発見されたオトヒメハマグリ科の貝が写っていた。この航海中撮られた写真の中には、メキシコ湾中部で最初のチューブワームの記録があった。これは1986年の潜水艇よって直接確認され、「ブッシュヒル(Bush Hill; .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯27度47分02秒 西経91度30分31秒 / 北緯27.78389度 西経91.50861度 / 27.78389; -91.50861 (Bush Hill))」と言われるようになった。この場所は徹底的な音響調査がなされ、炭化水素の湧出が確認された。この場所は、チューブワームの密度と、貝類の量の多さ、および炭酸塩岩上の大量のイシサンゴや深海サンゴが特徴的である。ブッシュヒルは、徹底的な調査がされていることでは世界でも有数の化学合成生物群集である。
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