ミッシング・シンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 00:16 UTC 版)
「地球温暖化に対する懐疑論」の記事における「ミッシング・シンク」の解説
(主張)初期の気候モデルにミッシングシンク(missing sink)とよばれる行方不明の二酸化炭素があることを根拠に、温暖化予測が不確実とする主張があった。(反論)森林やサンゴへの固定、地下への浸透、海への溶解などで、CO2一部は大気から離脱し(二酸化炭素シンク)、二酸化炭素の排出量と大気中の残存量に差が生じる。初期の気候モデルでは、二酸化炭素の吸収・排出量を要素毎に合算した値が実測値と整合せず、ミッシングシンクと呼ばれた。その後、データが増えて解析が進展し、主に陸上生態系による吸収分として説明がつくようになり、1995年発行のIPCC第2次評価報告書(SAR)からはミッシングシンクという表現自体が消えた。 (主張)火山活動、落ち葉の腐敗、生物の呼吸や、海水からの二酸化炭素の排出量の方が、排気ガスや工場などの人為的な排出量を上回っている。(反論)二酸化炭素は自然界で排出されているが、その一方で、ほぼ同量が吸収されてバランスを保っていた。それに加えて人為的に二酸化炭素などの温室効果ガスを増やしてきたことが、地球温暖化の原因と考えられる(IPCC第4次評価報告書#第一作業部会報告書:自然科学的根拠)。海洋は二酸化炭素の放出源ではなく、正味で吸収源である。
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