マーロン・ブランドとレッド・パワー運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 19:20 UTC 版)
「ネイティブ・アメリカン」の記事における「マーロン・ブランドとレッド・パワー運動」の解説
ハリウッド俳優のマーロン・ブランドは、AIM創設当時からこれを支援し、金銭的にも政治的にも援助したアメリカ人の一人である。ブランドは高額な映画出演報酬を要求することで有名だったが、これをインディアン権利団体の運営資金に提供することも多かった。また、「フィッシュ・イン抗議行動」など、様々な抗議運動でも行動をともにした。 最も影響が大きかったのは、1972年の「マーロン・ブランドのアカデミー賞辞退事件」であろう。これは出演した映画『ゴッドファーザー』でのアカデミー主演男優賞の授賞式に、「インディアン女性」を代理出席させ、インディアン問題に絡めた抗議声明をさせたというものである。ハリウッドでの、白人がでたらめなインディアンを演じてきたことを皮肉った「ニセモノにはニセモノを」とのブランドの思惑で、フィリピン系の女性がこの「インディアン女性」の役を演じたなどという様々な憶測が出回ったが、実際には、ネイティヴ・アメリカン(母はフランス人、ドイツ人、オランダ人の系統、父はホワイトマウンテン・アパッチとアリゾナのヨクイ族(Yaqui)とプエブロのネイティブ・アメリカンの系統)の「リトル・フェザー」(Sacheen Littlefeather)が登場しており、アメリカの映画作品内における人種差別問題、特にネイティブ・アメリカンの対する人種差別問題を提議した。ハリウッド界は大騒ぎとなり、これ以後、すでに減少していたハリウッド映画の「西部劇」から単純な悪役としてのインディアンは姿を消すことになり、事実上「西部劇」というジャンルを壊滅させてしまった。
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