(C)マーチ「スタウト・アンド・シンプル」
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「第36回全日本吹奏楽コンクール課題曲」の記事における「(C)マーチ「スタウト・アンド・シンプル」」の解説
連盟の委嘱に応じ、原博が作曲した。軽妙快活な旋律の多い日本の行進曲にあって、リズムと旋律との融合性が強い異色作のである。 まず全パートの強奏で、4分音符ベースの頑強な「基本テーマ」が示され、続いて高音木管群の運動性に富んだメロディが提示される。さらにホルンによるおおらかなハーモニーが現れ、トランペットがリズムを補強しながら旋律に絡んで来る。 中間部にかけてはダイナミクスの「抑揚」が印象的で、演奏上のポイントにもなっている。中間部は一旦「抑」に落ち着き、クラリネットが淡々と適度な刻みを含んだ旋律を奏でるが、それを「揚」として引き継ぐのは中低音金管である。高音パートがリズム打ちに回り、その後スケール的な跳躍をも伴いながら、高音群と中低音群が交互に8分音符主体で刻む、特異な「第二テーマ」が現れる。基本テーマと第二テーマが交錯しながらリピートを挟んで後半部へ進んでゆく。 後半部は、低音群の二分音符の強奏による骨太なリズムに、トロンボーンが高らかに主旋律を歌い、更にトランペットが加わってエンディングに向かう。再度8分音符の「第二テーマ」に近いメロディを示しながら、スネアが16分の刻みで全体を引き締めつつエンディングとなる。 全体の構成としては強い抑揚ときめ細かい運動性の作り込み、リズムとメロディの親和性の高い部分=音響的に重たげに、厚ぼったくなりがちな部分の解消が課題とされた。 実際の演奏では、指定テンポで通す団体がほとんどであったが、一部中間部で若干テンポを落とし、後半部に再度戻す解釈を加えた団体も見られた。
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