マルコ・ベロッキオとは? わかりやすく解説

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マルコ・ベロッキオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/22 16:14 UTC 版)

マルコ・ベロッキオ
Marco Bellocchio
2010年
生年月日 (1939-11-09) 1939年11月9日(85歳)
出生地 イタリア ピアチェンツァ県ボッビオ
職業 映画監督脚本家
ジャンル 映画テレビ映画
受賞
カンヌ国際映画祭
パルム・ドール・ドヌール
2021年
ヴェネツィア国際映画祭
審査員特別賞
1967年『中国は近い』
脚本賞
2003年『夜よ、こんにちは』
国際映画批評家連盟賞
1967年『中国は近い』
2015年『私の血に流れる血』
ベルリン国際映画祭
銀熊賞(審査員特別賞)
1991年La condanna
国際映画批評家連盟賞
1975年『解きほぐす愚か者』
1979年La macchina cinema
国際カトリック映画事務局賞
1975年Matti da slegare
ヨーロッパ映画賞
国際映画批評家連盟賞
2003年『夜よ、こんにちは』
革新的ストーリー・テリング賞
2022年『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』
その他の賞
ロカルノ国際映画祭
名誉金豹賞

2015年
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マルコ・ベロッキオMarco Bellocchio, 1939年11月9日 - )は、イタリア映画監督脚本家である。

来歴

1939年11月9日ピアチェンツァ県ボッビオで生まれる。ミラノで哲学を学んでいたが、映画に転向。1959年からローマ国立映画実験センターで映画製作を学んだ[1]

1965年、『ポケットの中の握り拳』で映画監督としてデビュー。1967年の『中国は近い』は第28回ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞と国際映画批評家連盟賞を受賞した。1968年にはイタリア共産党に入党している。

その後、精神科医のマッシモ・ファジョーリと知り合い[2]、作風を精神分析的なものへと変貌させる。マルーシュカ・デートメルスを起用してレイモン・ラディゲ同名小説を大胆な解釈で映画化した『肉体の悪魔』(1986年)やベアトリス・ダルが自身を魔女と称す女性を演じた『サバス』(1988年)、日常的な会話を止め、舞台言語だけを話す男を描いた『蝶の夢』(1994年)がその代表作である[1]。また、1991年には『La Condanna』が第41回ベルリン国際映画祭審査員グランプリを受賞している[3]

2000年代からは作風を再び社会的・政治的なものに戻し、1978年赤い旅団が起こしたアルド・モーロ元首相の誘拐殺人事件を扱った『夜よ、こんにちは』(2003年)やベニート・ムッソリーニの最初の妻イーダ・ダルセルを描いた『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』(2009年)といった作品を発表し、いずれも高い評価を得ている[2]

2011年第68回ヴェネツィア国際映画祭栄誉金獅子賞を受賞。2012年尊厳死について扱った『眠れる美女』を発表。同作は第69回ヴェネツィア国際映画祭第25回東京国際映画祭で上映された。

2015年、『私の血に流れる血』を発表。また、同年、第68回ロカルノ国際映画祭にて名誉豹賞を受賞した[4]

2016年、ジャーナリストのマッシモ・グラメッリーニによる自伝的小説を原作とする『甘き人生』を発表。同作は第69回カンヌ国際映画祭監督週間のオープニング作品として上映される。

2019年、実在のマフィアであるトンマーゾ・ブシェッタの生涯を描く『シチリアーノ 裏切りの美学』が第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品される[5]

2022年、再びアルド・モーロ誘拐殺人事件を題材とした『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』を発表。同作は6つのエピソードからなるミニシリーズとして製作されたが、イタリアでは前後編からなる長編映画として劇場でも公開された[6]

2023年ユダヤ人の両親のもとに生まれながら6歳で異端審問所警察によって連れ去られ、カトリック教徒として育てられて長じて司祭となったエドガルド・モルターラの生涯を題材とした『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』を発表。同作は第76回カンヌ国際映画祭コンペティションに出品される[7]

フィルモグラフィー

長編劇映画

題名 役割 備考
1965 ポケットの中の握り拳
I pugni in tasca
監督・脚本
1967 中国は近い
La Cina è vicina
1969 議論しよう、議論しよう
Discutiamo, discutiamo
オムニバス映画
愛と怒り』より
1972 Nel nome del padre
Sbatti il mostro in prima pagina 監督
Pianeta Venere 脚本
1979 Armonica a bocca
1980 虚空への跳躍
Salto nel vuoto
監督・脚本
1982 Gli occhi, la bocca
1984 エンリコ四世
Enrico IV
1986 肉体の悪魔
Il diavolo in corpo
1988 サバス
La visione del sabba
1991 La condanna
1994 蝶の夢
Il sogno della farfalla
監督 別題『新・肉体の悪魔』
1997 Il principe di Homburg 監督・脚本
1999 乳母
La balia
2002 母の微笑
L'ora di religione
別題『L'ora di religione - Il sorriso di mia madre
イタリア映画祭2003にて上映[8]
2003 夜よ、こんにちは
Buongiorno, notte
Radio West 脚本
2006 結婚演出家
Il regista di matrimoni
監督・脚本
2009 愛の勝利を ムッソリーニを愛した女
Vincere
2012 眠れる美女
Bella addormentata
2015 私の血に流れる血
Sangue del mio sangue
第28回東京国際映画祭にて上映[9]
2016 甘き人生
Fai bei sogni
イタリア映画祭2017上映時タイトル『スイート・ドリームス』[10]
2019 シチリアーノ 裏切りの美学
Il traditore
2022 夜の外側 イタリアを震撼させた55日間
Esterno notte
イタリア映画祭2023上映時タイトル『夜のロケーション』[11]
2023 エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命
Rapito
第36回東京国際映画祭上映時タイトル『KIDNAPPED』[12]

テレビ映画

題名 役割 備考
1995 Sogni infranti 監督・脚本
1998 Alfabeto italiano: La religione della storia
2010 Rigoletto a Mantova 監督 オペラ『リゴレット』の映画化

短編映画

公開年 題名 備考
1961 Abbasso il zio
La colpa e la pena
1962 Ginepro fatto uomo
1993 L'uomo dal fiore in bocca
1997 Elena
1999 Nina
2000 L'affresco
Un filo di passione
2001 Il maestro di coro
2002 Oggi è una bella giornata
Appunti per un film su Zio Vania
2016 道化師
Pagliacci
イタリア映画祭2017にて上映[10]
2017 Per una rosa
2018 戦闘
La lotta
イタリア映画祭2020にてオンライン配信[13]
2021 差し出がましいのですが
Se posso permettermi
イタリア映画祭2023にてオンライン配信[11]

ドキュメンタリー

題名 備考
1969 Il popolo calabrese ha rialzato la testa
Viva il 1º maggio rosso proletario
1975 Matti da slegare シルヴァーノ・アゴスティ、サンドロ・ペトラリアステファノ・ルッリとの共同監督
1979 La macchina cinema
1980 Vacanze in Val Trebbia
2002 Addio del passato
La primavera del 2002 - L'Italia protesta, l'Italia si ferma
2021 マルクスは待ってくれる
Marx può aspettare
イタリア映画祭2022にて上映[14]

脚注

  1. ^ a b マルコ・ベロッキオ”. 2014年8月22日閲覧。
  2. ^ a b マルコ・ベロッキオについて”. 2014年8月22日閲覧。
  3. ^ Berlinale: 1991 Prize Winners”. Berlinale. 2014年8月22日閲覧。
  4. ^ Marco Bellocchio” (英語). Locarno Film Festival. 2023年6月3日閲覧。
  5. ^ 第72回 カンヌ国際映画祭(2019年)”. 映画.com. 2023年6月3日閲覧。
  6. ^ (英語) Esterno notte (TV Series 2022) - Trivia - IMDb, https://www.imdb.com/title/tt12822708/trivia/ 2023年6月3日閲覧。 
  7. ^ 第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)”. 映画.com. 2023年6月3日閲覧。
  8. ^ asahi.com : 朝日新聞社 - 「イタリア映画祭2003」”. www.asahi.com. 2023年6月3日閲覧。
  9. ^ 第27回東京国際映画祭|私の血に流れる血 | 10/23 11:00- | 10/25 11:20- | 10/28 18:00-”. 2015.tiff-jp.net. 2023年6月3日閲覧。
  10. ^ a b イタリア映画祭2017 作品情報”. 朝日新聞社. 2023年6月3日閲覧。
  11. ^ a b イタリア映画祭2023”. 朝日新聞デジタル. 2023年6月3日閲覧。
  12. ^ 【KIDNAPPED(英題)】|第36回東京国際映画祭(2023)”. 2023.tiff-jp.net. 2024年1月29日閲覧。
  13. ^ イタリア映画祭2020”. 朝日新聞デジタル. 2023年6月3日閲覧。
  14. ^ イタリア映画祭2022”. 朝日新聞デジタル. 2023年6月3日閲覧。

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